異世界剣士とさくら編34夜の山
あらすじ:世界を守りたがる赤ロボット搭載者と河波の人魚鱗を欲しがる精霊使い少年のお子様サミットには多々虚偽が含まれていることを実感しつつ、宇宙船での失われた記憶の手がかりを求める星庵心だが……。![]()
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私の日常 異世界剣士とさくら編34
コトコトと山を登っていくケーブルの、静かな振動が心地好い。
大学のデザインと同じ、大正モダンとアールヌーボーのほどよくミックスしたレトロ仕様の木枠の窓から外を覗くと、いつも見えるはずの雑木林も竹林も、夜を迎える空気にとろけてしまっている。
河波さんに快く献血して頂いた後、しばらく喋っていたけれど、宇宙船での出来事を思い出せるような感触はなかった。それどころか話を聞いていると、くすんだ膜に包まれたような、もどかしさばかりがお腹の底に溜まってくる。

