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2008年11月

異世界剣士とさくら編22少年さくら君

虹望ゆら「一日しか経ってないんですけどお久しぶりです~。あらすじです。星庵さんの家を訪れたんですけど、わたしのこと覚えていなかったんです……。謎です。はっ、まさかクセの強そうなクラインさんが星庵さんによからぬことを……!」
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私の日常 異世界剣士とさくら編22

 私の言葉に、少女がきょとんとした瞳で見つめ返してくる。
 私の名を呼んだ少女を、私は知らない。
 そんな私を静かに見つめてから、少女は言った。
「……星庵さん、もしかして昨日のこと、まるごと全部忘れてますか?」
 えっ、昨日?な、何だろう。何かあったっけ?
「ええと、忘れてること自体あったのかも分かんない」
「みなさんのことも?」
「み、みなさん?」
「河波さんに、町田さんに、ルミちゃん、綾井さんっ」
「うわっ、誰誰誰!ちょ、ちょっと待って!」
「クセの強そうなクラインさんはどーですかっ」

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異世界剣士とさくら編21訪れためるひぇ~ん美少女

ふみ兄「おう、あらすじだ!刀を持ってしかも汚れまくった少年を家で休ませることにした俺の妹。いや~、昔っからいろいろ拾って来るんだよ。小学生の時は(割愛)にも関わらず、いきなり掃除を始めてしまった!兄は悲しいぞ!少年を休ませる気はあるのか?しかも家事疲れでウトウトしかけたときにインタフォンが鳴った!こんな時はやっぱり愛を込めて居留守だな!?」
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私の日常 異世界剣士とさくら編21

 半分ぐらい眠った頭で、出ようかどうしようか中途半端に悩んでいると、下の階から廊下を全力疾走する足音が響いて玄関に向かっていく。
 ああっ、居留守が使えない!
 くっつきかけた瞼をこすりながら、階段を降りていく。玄関を見やって、危うく足を踏み外しそうになった。

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異世界剣士とさくら編20お粥と訪問者

あらすじ:別の世界から来たらしい刀を持つ少年と出会った星庵心。衰弱したその少年を家まで連れ帰る。やっとお風呂に入ってもらったら、けっこうオトコマエ?
 
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私の日常 異世界剣士とさくら編20

「簡単だけど」
 少年はリビングのテーブルに用意されたお粥を見るなり、急に頭を下げて、なかなか動こうとしなかった。うう、却って恐縮するなあ。
 少年を促してやっと席についてもらう。お茶のときと同じで、時間をかけて食べ始める。食べられるってことは、味覚はそんなに変わらないのかな。
「洗濯物干してくる。それ全部食べても構わないから」

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異世界剣士とさくら編19重さのヒミツ

あらすじ:刀を持つ少年を家に連れ帰った星庵心。だけど少年はお風呂の入り口に刀の賢者さんを立てかけてたりして、警戒されまくり。

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私の日常 異世界剣士とさくら編19

 籠の中にはコートや服が入っていた。見られるのを気にしてか、きちんと綺麗に折り畳まれていた。
「着替えの服、ここに置いておくね」
「分かった」
 少年の声がちょっと緊張している。だから開けたりしませんってば。
「じゃあ、これ洗濯に……」
 持ち上げた籠を手から取り落とした。それが足の甲にまともに当たる。
「……!?」
 い、痛い!重い!!!

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異世界剣士とさくら編18旅人のお風呂

あらすじ:記憶盤との契約で名を無くした少年を家まで連れ帰った星庵心。玄関で気合いの入りまくったふみ兄を見送った。でも帰りは多分早いんだろーな……。

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私の日常 異世界剣士とさくら編18

 靴のまま上がりかけた少年を制止して、靴を脱ぐように言うと、盥に水を、と請われた。
 少し待ってもらって、お風呂場をのぞいてみる。
 思ったとおり、先にふみ兄が使ったようで、浴槽にはお湯が張ってあった。
 盥に水……どのぐらい必要なんだろう。
 とりあえず洗面器でバケツにお湯を移しかえて持っていく。
「これは……かたじけない」
 お湯が出てくるとは思わなかったらしい。

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異世界剣士とさくら編17犬少年?

あらすじ:記憶盤『世界の賢者』との契約で名前をなくした少年。衰弱した少年を休ませようと、星庵心は自転車にのせて家まで連れ帰った。

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私の日常 異世界剣士とさくら編17

 それにしても家から出てきたふみ兄の格好が、どうみてもホストみたいに見えるのは何故だろう。
「楽しみにしておけ、こっこ!おれは今から難攻不落のスケジュールを書き換えに行く!!」
 それって、取材相手にデートのお誘いするってこと?
 朝からテンション高いなー。だけど、そんな気合いの入りすぎた服で行ったら、相手に絶対引かれるって……。

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異世界剣士とさくら編16自転車で

あらすじ:刀の姿をした記憶盤、世界の賢者との契約により自身の名前を無くした少年の様子がおかしくなっていた。

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私の日常 異世界剣士とさくら編16

 とっさに伸ばした腕に、ずしりと少年の重みがかかる。あれっ、さ、支えきれない……。
 引きずられるように自分の体まで傾いていく。
 桜餅の入ったパックが地面に落ちる。
 倒れるかも、と思った瞬間、その重みが無くなった。
 ガリガリと靴底が地面を踏みしめる。
「……大丈夫?」

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異世界剣士とさくら編15花の名

あらすじ:話の分かる理事に刀を持った少年の存在を大目に見てもらったものの、今後のことをさっぱり考えてなかった星庵心。

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私の日常 異世界剣士とさくら編15

 刀の賢者さんとの会話で、行く先が決まってないのはそれとなく分かってるけど。
 ああ、なんだか本気でやつれて疲れ果ててるなあ、この子。
「これ食べる?」
 時計になった賢者さんを渡しがてら、理事からの差し入れを少年に差し出す。
 途端に緊張感みなぎる姿勢で、眉間にしわをつくる少年。
 ビニールのシャカシャカ音が耳に馴染まないんだろうか。
 あの……なんかものすごく自分が威圧されてるみたいで落ち着かないので早く受け取って欲しいなあ……。

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異世界剣士とさくら編14ゴミの行方

あらすじ:用務員だとばかり思っていた最強のおやじは自分が通う大学の理事だった。それより明らかに不審人物な少年が通報されないか気が気じゃない星庵心。

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私の日常 異世界剣士とさくら編14

「うん、そう。で、それは?」
 駒月理事の視線を追うと、先にあるのは少年が手にしていた賢者さんだった。
「これは……」
「ゴミです!!」
 少年の言葉を遮って、私は力強く言い切った。
「おもちゃの刀です!花見客が捨てていったんじゃないですか?本当困りますよね~」

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異世界剣士とさくら編13危ないネーミング?

あらすじ:急変した少年の態度に困っていると、用務員のおじさんが様子を見にやってきた。

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私の日常 異世界剣士とさくら編13

 確か用務員さんは別館の掃除に行ってたんじゃなかったっけ?私がゴミ拾いの最中に桜に見惚れて意識を飛ばしてるのか様子を見に来たのかしら。
 ど、どうしよう~。古いコートにみつあみにしゃべる刀。明らかに少年が不審人物だ~。
「おや、そっちの子は?」
 なるべく視界に入らないように少年の前に立っていたけれど、そんなちゃちな小細工は用務員さんには通じなかった。

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異世界剣士とさくら編12女?男?

あらすじ:賢者の陰謀(?)で刀に触れた星庵心。夢の中、奇妙な風景とそこにいる少年の姿を垣間見る。
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私の日常 異世界剣士とさくら編12

「賢者!よせ!」
 気色ばむ少年の声が耳元で聞こえた。あれ……さっきまで見えてたのが消えちゃった。
 白昼夢?はっきり顔は見えなかったけど、階段にいた少年って……。
 ぼんやりしていると腕がつかまれて、手のなかにあったものを引き剥がされた。
 ふっと力が抜けて、膝が崩れる。
 腕をつかんだ少年のおかげでどうにか転倒は免れたが、握る力が強すぎて却って痛い。これなら倒れた方がいい……。

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異世界剣士とさくら編11記憶の奥

あらすじ:謎の少年が持つ刀は自らを世界の賢者と名乗った。少年の行動に不安を感じた星庵心は、刀を隠すように提案するが逆に協力するよう要請される。
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私の日常 異世界剣士とさくら編11

「協力?」
「よせ」
 少年の賢者さんに向けられる声が鋭い。
「聞くな。賢者は代償を求める」
 ペットボトルのふたを閉めなおし、賢者さんをつかむと少年は立ち上がった。
『只の提案だ。契約とは違う。機能が少しでも回復するほうがよかろう』
「世話になった。恩に着る」
 いや、お茶をあげただけなんですけど。しかも半分も飲んでないし。

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異世界剣士とさくら編10記憶盤

あらすじ:言動のどこかズレた少年と出会った星庵心。彼の持つ刀から聞こえたのは、冷たい男の声だった。
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私の日常 異世界剣士とさくら編10

 少年の行動に度々危険な一言を投げかけていた声が、刀から聞こえる。
 正確には声じゃないかもしれない。何だか耳の奥に直接響いているような、囁きに近い。
 それでもその声が、少年の持つ刀から聞こえたものだというのは分かる。
「これしゃべるの……?」
『これは契約者が望んだ形に過ぎない。本来は記憶盤であり、私は世界の賢者と呼ばれている』

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