異世界剣士とさくら編1夢の感触
電子の小道に落っこちている繭式の日記帳を拾って下さってありがとうございます。
今回から『宇宙編と日記編』の続き、『異世界剣士とさくら編』です。ようやくタイトルがファンタジーっぽくなりました……。お時間があるときは、この日記帳をめくってやってください。
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私の日常 異世界剣士とさくら編1
ここにある。
いつか見たいと思っていたもの。
地球。
大気圏外から見る地球の青さは目に沁みた。
夢だ。とてもいい夢。大きな暗い部屋の、鏡面めいた床には、自分の姿が映っている。
自分の両隣にそれぞれひとつずつ、影がある。
「何を隠しているんです」
左隣に立つ男の人が言った。顔は見えない。
地球は夜になっていたが、煌々と輝く電光が首都圏を中心に、網を広げて地球を侵食している。明るすぎて、どんな表情をしているのか窺うことはできない。
私はその人のことを、クラインさんと呼んでいた。
「あなたの隣に、何を隠しているんですか」
「隠す?何を……?」
それが何であるのか、私はそれを知っている。知っていて、思い出せない。
私の右隣にいる、小さなもの。
それを見ようとすると、夢の続きは炭酸のように、ふわりと溶けて消えていった。
脅されていたのに、夢の後味は悪くない。
ぼんやりしたまま、体を起こす。
夢の端を思い返すと、心地好いさざ波に触れている気がする。
その感触も徐々に薄くなってくると、ようやく、朝早く目覚めたのに気が付いた。
カーテンの向こうはまだ暗い。
朝の静かな気配だけが聞こえてくる。
薄闇の中で、私は自分の右手を見た。
何かに触れた感触。やわらかくて、つめたいもの。
手のひらを眺める私の背後で、目覚ましが鳴り出した。
起き上がると、体が急に軋んだ。
うわ?なんだろ、昨日何かしたっけ?
何か、体の具合が少しヘン。散歩したら、戻るかな?
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